予防歯科学では、齲蝕や歯周病などを予防し、人々の健康・幸福への望みに応えるための知識、技能について学びます


研究内容

1 東日本大震災被災地における歯科健康調査

2011年3月に起きた東日本大震災により、岩手県沿岸地域は大きな被害を受けました。歯科治療の中断、入れ歯の破損・紛失など、震災によるお口に関連した問題が数多く発生しました。当教室では、震災発生の年から継続して歯科健康調査を実施し、被災地である大槌町住民のお口の健康状況について調べています。また、結果はそのつどご本人にお返しし、住民に対する説明会も行っています。

歯科健康調査
歯科健康調査
(パーテションでプライバシーに配慮しています)
住民説明会
住民説明会

2 舌苔微生物に関する研究

舌苔と歯垢で想定される微生物の受容と供給関係
舌苔と歯垢で想定される微生物の受容と供給関係

舌の表面は口の中に占める面積がとても大きく、かつ複雑な形態をしているため、舌苔という細菌の塊が付着します。この舌苔中に歯周病の原因菌が生息することを、当教室の研究が始めて明らかにしました。そして、舌苔の細菌が口臭の原因になったり、歯周ポケットと細菌をやりとりしたりしている可能性も示してきました。現在は、舌苔のカンジダ菌の分布や定着要因を研究しています。この微生物は免疫力が低下したとき(周術期や高齢期)に口腔粘膜炎や真菌血症を引き起こすおそれがあり、岩手生物工学研究センターと共同してその定着を抑制する食品の開発にも取り組んでいます。

3 周術期の口腔粘膜の要因と予防法に関する研究

近年、化学療法や放射線療法時に口腔粘膜炎が生じ、原疾患以外の主要なQOL低下要因となっていることが問題視されています。当教室では現在医科と連携し、術前から術後まで口腔内管理を行っており、周術期の口腔粘膜炎の頻度、重篤度に関連する要因と効果的な対処法を明らかする研究を行っています。

4 歯の脱灰と再石灰化に関する研究

齲蝕予防機序である再石灰化を唾液環境の最適化との視点で検討し、リン酸化オリゴ糖カルシウム塩がエナメル質の再石灰化を高度に促進することを確認し、食品の再石灰化機能を評価できるヒト唾液浸漬法を構築しました。また、歯科材料の歯質保護性能(脱灰抑制および再石灰化促進能)の標準試験法を構築しました。技術応用性の評価として、委託型齲蝕リスク検査が学校歯科保健に有用であることを確認しました。

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平成28年度